沖縄県空手振興課は4月から、沖縄空手の将来像を示す構想「空手振興ビジョン」の策定を本格化する。空手関係者や有識者でつくる策定委員会を4月にも立ち上げ、伝統空手と競技空手の相互振興、空手界や行政、県民の役割分担などを整理。2017年度中にまとめ、18年度には構想実現に向けたロードマップ(工程表)を作る。また、4月から流派別の型や歴史を研究する新事業を始め、数年かけて沖縄空手を網羅する資料を完成させる。
県は17年度予算で空手振興事業に約2億4700万円を計上。振興ビジョン策定に約1300万円、流派別研究に約1950万円の予算を組んだ。
ビジョンは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録や20~30年後の沖縄空手の将来像などを見据えて構想を議論していく。
流派別研究では三大流派(上地流や剛柔流、しょうりん流)の一流派を選び、モデル的に研究を始める。型の動きの意味や流派の歴史を深掘りしていく。
県は本年度、県内の道場の門下生数や海外支部数、指導体制などの実態を調査しており、3月下旬に公表する。結果をビジョン策定にも使い、道場データは冊子にまとめる。
同課の山川哲男課長は「沖縄空手会館が完成し、国際大会も開く。空手を世界に発信するためにも、構想や文化などソフト面を強化していきたい」と意気込んだ。